近年、企業が自社の魅力や情報を主体的に発信する必要性が高まっています。私自身、電通で20年以上広告戦略に携わった後、フリーランスのWebコンサルタントとして地方企業の支援を行う中で痛感したのは、検索エンジンの高度化と競合増加により、外注任せのSEOでは成果が出にくくなっているということです。そこで注目されているのが“二人三脚型”のSEOコンサルティング。この記事では、その背景と具体的な進め方を解説します。
なぜ「二人三脚型」SEOコンサルティングが求められているのか
検索エンジンは日々進化し、ユーザーが本当に求める情報を高く評価するようになりました。この流れに対応するためには、企業独自の強みや現場の声を生かす必要があります。ここでは、外注依存型SEOの限界と自社情報を活かす重要性についてお話しします。
外注依存型SEOの限界
かつて主流だった「被リンクやキーワード詰め込み」などの小手先の手法は、Googleのアルゴリズム変動により通用しにくくなっています。また、全てを外部任せにすると、企業のオリジナリティが反映されず、一時的な検索順位の向上に終始しがちです。今やSEO支援においては、内部リソースと協力しながら情報を磨き上げることが重要になってきています。
自社の強みを活かすには内部協力が不可欠
新商品開発の背景や顧客対応の事例など、企業独自の魅力は社内にこそ蓄積されています。SEOコンサルタントはそれを引き出す“伴走役”として、企業内部との密なコミュニケーションが欠かせません。社内の現場担当者や経営層とのやりとりを通じてこそ、真の強みを活かしたWeb集客が可能になるのです。
二人三脚の進め方|成果を生む4つのステップ
ここからは、実際に成果を出すための「二人三脚型SEOコンサルティング」の具体的な進め方を4つのステップに分けてご紹介します。目的の明確化からPDCAの実践、そして結果の共有まで、一貫した流れを理解することが成功の近道です。
ステップ1:目的とゴールの明確化
まずはWeb集客の目的をはっきりさせ、数値化された目標(KPI・KGI)を設定します。これが曖昧だと、施策の方向性にブレが生じ、社内外ともにモチベーションが保ちにくくなるので要注意。目指すゴールを明確にすることで、クライアントとコンサルタント双方が同じ視点で進めることができます。
ステップ2:役割分担とコミュニケーション設計
次に、クライアント側とコンサル側、それぞれが何を担うのかを明確化します。社内の情報収集や初期のライティング支援はクライアント側が担当し、SEO分析やキーワード選定、全体設計はコンサルタント側がリードするといった形が一般的。さらに、定期ミーティングやチャットツールなど、スムーズな情報共有の仕組みづくりが鍵を握ります。
ステップ3:コンテンツ戦略とPDCAの実践
実際の運用に移ったら、計画(Plan)→実行(Do)→検証(Check)→改善(Action)のサイクルを回し続けることが重要です。キーワードに沿ったコンテンツを作成し、アクセス解析や問い合わせ数を確認して、修正・強化ポイントを発見。これを繰り返すことで徐々に精度を高め、検索順位だけでなくビジネス成果に直結するWeb集客を実現します。
ステップ4:結果の可視化と振り返り
最後に、アクセス解析のデータや成約数を可視化し、クライアント・コンサルタントが共に振り返る時間を設けます。数値データだけでなく、実際の顧客からの声や社内での反響も共有することで、“なぜ成果が出たのか”を深く理解し、次の施策へとつなげられるようになります。
二人三脚での成功事例
企業とコンサルタントが連携して成果を出す事例は少なくありません。ここでは架空の企業A社を例に、どのように伴走型SEOで成果が生まれたのかを簡単にご紹介します。
- A社の状況:新潟の食材メーカーで、コロナ禍を機にEC展開をスタート。
- 進め方:A社は商品の開発秘話や地元農家との提携ストーリーを丁寧に発信。コンサル側はキーワード選定やサイト構造の改善を主導。
- 結果:3か月目でECサイトへの流入が倍増、6か月で売上目標を達成。その後もPDCAを回しながらリピーター獲得に成功。
FAQ
多くの企業が抱く疑問に対して、二人三脚型SEOコンサルティングの視点からお答えします。
Q1. SEOコンサルは外注するだけではだめなの?
企業が持つ独自情報を反映しにくく、短期的な順位向上に終始してしまうリスクがあります。検索エンジンが重視するのはユーザーの役に立つコンテンツです。外注任せではなく、社内の強みをしっかり生かすことが不可欠です。
Q2. 社内にリソースがなくても二人三脚型は可能?
可能です。ヒアリングや取材の進め方、執筆支援などはコンサル側で補うことができます。最低限の社内協力が得られれば、伴走型の仕組みを作ることは十分に可能です。
Q3. 効果が出るまでにどれくらいかかる?
業種やサイトの状態によって異なりますが、3〜6か月を目安にPDCAを回し、徐々に成果を測定していくのが一般的です。
まとめ
外注任せのSEOが通用しなくなった今、クライアント企業とコンサルタントが“二人三脚”で取り組むメリットは非常に大きいと感じています。内部リソースが持つ情報量や企画力と、コンサルタントの分析力や戦略立案力を掛け合わせることで、本質的かつ継続的なWeb集客が実現するのです。